ペーパーバック版(紙の本)の『ExcelVBAで使えるチェック機能コード集の基礎、処理開始編』の販売が開始されました!

今月の2023年6月12日頃からAmazonでペーパーバック版の『ExcelVBAで使えるチェック機能コード集の基礎、処理開始編』の販売が開始されました!以下が販売ページへのリンクになります。

 

ペーパーバックとはわかりやすくいうと「紙」の本になります。詳細は次の項目で説明します。出版手続き自体は6月3日に行っているのですが、表紙や原稿の修正で非常に手間がかかりました。

 

初めて電子書籍の出版手続きをした時も色々と手続きがあるなぁとは思っていました。なので、ペーパーバック版の方も、また違った感じで多少の手間はあるだろうとは思っていました。実際やってみるとわかるのですが全然違います。電子書籍での手続きの方が楽に感じるレベルです。

 

なぜ今回そのような手間のかかるペーパーバック版の本を出したかというと、「電子書籍の需要」もあれば「紙の需要」もあるのではないかと思ったからです。今回はこのことについて書いていきます。

ペーパーバック版とは

本屋に置かれているような一般的なビジネス書は、通常は紙のカバーが着けられています。その上にさらに本の推薦文などが書かれた帯がつけられているものもあります。

 

これに対してペーパーバックとは表紙が薄めで、安価な紙で作られたシンプルな書籍になります。紙のカバーや推薦文などが書かれた帯はつけられていません。ペーパーバックとは欧米で主流の本の体裁です。

 

Amazonでオンデマンドのペーパーバック版の本を出せるようになったのは、実は結構最近のことで、2021年10月から始まったサービスです。

 

このサービスが始まる前は個人は「自費出版」で本を出版しないといけませんでした。自費出版は誰もが出版できるといっても著者が費用を負担して本を出版するので、そのハードルは決して低くはありません。

 

一般的な自費出版は大手の出版社の自費出版部門に依頼する場合などは、最初にある程度の部数を刷る必要があるようで、その結果200~300万円ぐらいが相場になるようです。インターネット上で色々なサイトを見てみましたが、依頼する企業の規模が中小でも数十万程はかかるようです。

 

どちらにしろ、自費出版というのは少なくない費用が発生します。それに加えて自費出版はあくまで「依頼者の本を作る」のが企業側の仕事であり、広告宣伝や営業までは含まれません。(一部には書店に置いてくれる企業もあるようです。)

 

つまり、本を作ったからといって仮にそれがどんなに良い本であっても、多くの人に周知されないことには売れないのです。そのため、この費用の高さのためにトラブルも多いようです。

 

これに対して、Amazonのオンデマンド型でペーパーバックの本を売るサービスは、売れたら(受注したら)1冊ずつ費用が発生する仕組みです。この仕組みによって、自費出版と比較して大幅なコストダウンが可能です。

 

このサービスによって個人でも意欲と原稿があれば、少ないコストで紙の本の出版が可能になっており、自分も『ExcelVBAで使えるチェック機能コード集の基礎、処理開始編』をペーパーバック版として出版することができました。

「紙の需要」もあると思った理由

今回の記事の冒頭で「紙の需要もあるのではないか」と書きました。これは自分の経験と感覚になるのですが、特にある程度のレベルの専門書は紙の需要があると思っています。

 

その理由は、「メモのしやすさ」と「見やすさ」です。

 

「ある程度のレベルの専門書」というと、例えば自分がこれまで紙の本で購入してきたVBAの本は以下のものがあります。

  • 『入門レベルでは決して足りない実務に必須のスキルとは ExcelVBA 実戦のための技術』
  • 『これ一冊で完璧! AccessVBA即戦力講座』
  • 『アプリ作成で学ぶ Access VBAプログラミング ワンランク上のフォーム&レポート』
  • 『アプリ作成で学ぶExcelVBAプログラミングユーザーフォーム&コントロール』
  • 『ExcelVBAを実務で使い倒す技術』
  • 『パーフェクトExcel VBA』
  • 『大村あつし の Excel VBA Win64/32 APIプログラミング』

 

VBA関連の本は他にいくらでも名前を挙げられますが、有名どころ、それほど有名ではないものも含めてほとんど紙の本で購入しています。

 

なぜ、これらの本を電子書籍ではなく紙の本で買ったかというと、もちろん「VBAの勉強するため」という目的が一番にあります。それ以外の理由としては自分の肌感覚として先にも書きましたが「メモがしやすい」のと「見やすい」からです。

 

スマホで見るには、内容としては字や図、画像が小さくなりすぎて非常に見づらいです。文字はまだ良いかもしれませんが、文字も含めて図や画像を毎回拡大しないと理解できないというのは、本を読むという点からすると手間がかかりすぎます。

 

じゃあKindle端末ならよいかというと、自分はKindle端末を使ったことがなく、タブレットで本を読んだことはあります。その時の経験からだと、やってみようとはしたのですが、機能的にできるかもしれないのですが、付箋やメモを入力するのは非常に手間がかかると感じました。

 

専門書だとわからない用語が結構頻繁に出てきまが、自分はその度に調べて本の余白にメモします。紙の本であれば直感的に書きたい所に書きたいように書けます。他にも、途中で気づいたことや思ったことなどをメモしたりする時もあります。

 

タブレットであれば文字や画像の見やすさの問題はクリアできるかもしれませんが、書きたいことを余白にメモしたり、付箋をつけるのはハードルが高いと感じました。もっと簡単なやり方はあるのかもしれませんが、自分にとっては手間がかかると感じました。

 

逆にマンガなどはスマホなどで電子書籍として読むのは全然苦じゃないです。理由は、例えば、紙の本でマンガを見る時って普通メモしたり付箋をつけたりしませんよね。する人もいるかもしれませんが、ごく少数だと思います。

 

マンガは基本的には専門書に比べれば内容的に軽く、ほとんどが絵であり、見やすいです。特に深く考えたり調べたりする機会は少ないでしょう。

 

これらのことから、『ExcelVBAで使えるチェック機能コード集の基礎、処理開始編』も実際のVBAのコードを多く記述しているので、もしかしたら紙の需要があるのではないかと思いペーパーバック版を出版しようと思った次第です。

 

ペーパーバック版を出版し始めてから実際どうかというと、ちょっとずつですが売れ始めています。これは非常に嬉しいことなのですが、ペーパーバックは電子書籍を出版した時とは違って、かなり手間がかかります。

ペーパーバック版を出版する時の手間

原稿は電子書籍で出版した時のものがあるので、それを元にして紙の本として見やすい形に編集し直したり、体裁をちょっと変えたり、誤字脱字をする程度で、特に手間はかかりません。

 

一番手間がかかったのは「表紙」です。正確には裏表紙と背表紙を含めた表紙になるのですが、これ程手間がかかるとは思いませんでした。当初は電子書籍で出版した時に使ったものをそのまま使うか、ちょっとサイズを修正すればよいのだろうぐらいに思っていました。

 

しかし、紙の本の出版には非常に細かいルールがあるようで、表紙を作る際には例えば以下のような用語があります。

  • 全表紙
  • 表表紙
  • セーフ エリア
  • 裁ち落とし
  • マージン
  • 背表紙
  • 背表紙のセーフ エリア
  • 背表紙マージン
  • バーコード マージン

 

上記の用語に関連する「枠」があるのですが、この枠に上手く収まるように、表紙のサイズや内容を数えきれないぐらい修正しました。そしてその度にAmazonに申請するのですが、悉く突き返されます。

 

これらの手間やルールの関係から、『ExcelVBAで使えるチェック機能コード集の基礎、処理開始編』の電子書籍とペーパーバック版の表紙が若干違うものになっています。表紙は微妙に違いますが、中身は同じなのでご安心ください。

 

何とか出版までこぎつけましたが、Amazonからペーパーバック(紙の本)を出版したい方は、この点を事前によく調べておいた方がいいです。じゃないと、表紙の作成だけで挫折する可能性があります。

 

とはいっても、紙の本で出版できたのはとても嬉しいです。実際に紙の本として出版する前にテストとして、ちゃんとできているかが確認できる「校正刷り」というサービスがあります。

 

この校正刷りでAmazonから『ExcelVBAで使えるチェック機能コード集の基礎、処理開始編』を自宅に送ってもらったのですが、ちょっと感動しました。

 

紙の本を出版するというのは今までの自分のイメージでは、大学教授とか有名な大企業の役員とか、世界的に有名な研究者とか、そういった超優秀な人じゃないと出せないものだと思っていました。

 

だから自分にとっては全く無縁の世界だと思っていたものが、自分の手の中にあると思うとなんだか感慨深いというか、不思議な感じがします。

 

「これ本当に現実かな?」みたいなそんな感じです。ツイッターで校正刷りで送ってもらった写真をUPしていますが、現実としてそれは本当に存在しています。

 

印刷費や送料が含まれるので電子書籍よりは高くなってしまいますが、紙の本で読みたいという方は是非一読していただけると嬉しいです。

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